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珍事

今日は卒論発表会の1日目だった。同研究室の4回生2人のうちの1人(あんまり大学に来ない方)だけが発表した。昨日、僕がバス時間で帰ってからも、4回生2人は大学に残って発表準備を進めたらしいので、どうなったのか不安と期待でドキドキしながら聞いた。

 

他の研究室の発表と聞き比べてみると、彼の発表は見劣りしたと思う。特に、データの提示の仕方が不親切で分かりずらかった。帰る前にコメントしたことは、全然修正されていなかった。夜には指導教員が確認・コメントしたらしいが・・

 

発表後の質疑応答の時間になった。解析方法について教員陣から質問から出た。この質問は出ることが事前に予想されたため、僕は何度も彼に話しておいた。話すたびに、「分かりました」「大丈夫です」と言うので、前日に確認のためにもう1度話しておいて、それで大丈夫かと思った。

 

ところが、実際に発表会で質問されたら、彼は答えられなかった。しばらく黙ったので座長が「分からなかったら、分からないでいい」と助け舟を出した。すると彼は、「最初は別の解析方法を使っていましたが、○○さん(僕の名前)にこうしろと言われたので、こうしました!」と、僕の名前まで挙げて発言した。卒論発表会でそんなことを言う4回生は初めて見たので、驚いた。ここの大学には、僕のことを知らない教員がたくさんいるので(もちろん学生も)、発表会にきていた多くの人は「誰!?」ってなっただろう。

 

まず、誰の卒業研究だと思っているのだろうか。自分の卒業論文の責任は、まず自分にある。研究員の僕が提示した方法に納得がいかないのなら、自分が納得いく方法で解析するべきだと思う。彼は4月からニートらしいが、いつか仕事をしても失敗したら他の人に責任を押し付けるのだろうか。

 

僕も甘かった。こっちが何度も「分かった?大丈夫?」と聞いて、学生がハッキリと「分かりました!大丈夫です!」って何度も言ったとしても、実は口先だけで、本当は分かっていないことがあるのだと思った。本当の理解度を確認するためのテストをするべきだったかもしれない。

 

いずれにしても、大学にほとんど来ず、卒論もコピペで終わらせようとしていた彼に、出来る限り親身にチカラになろうとした僕の努力と親切は見事に裏切られ、後足で砂をかけて卒業していくことになった。

 

まぁでも、そこは人間理解だと思う。本当に、自分勝手でずるくていやらしく、信じられないようなことをしたり、許せないようなことをしたりする人間なんて、そこら辺に溢れ返っている。少しずつ僕も慣れてきた。でも、どんな人間でも憎んだり、意地悪したりしたいとは、これっぽっちも思わない。「そういうもんなんだ」と思って許して諦めるしかない。倫理道徳で他人を責めても仕方がない。そういう人間なんだと諦められた分だけ、自分の人間理解が深まるし、大人になれると思う。