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ある後輩の物語2

入学後、Sの学生生活は想像していた通りに楽しいものになりました。もともと超マイペースな彼は、学部や学科の教育・指導方針なんて頭にありません。レポートやテスト勉強は後回し。授業は単位を落とさない程度に出席します。そして、週に2度や3度と、川や湖、水路などに出かけます。網や素手で生物を捕まえたり、陸上から観察したり、デジカメで観察したり・・水生生物を夢中になって追いかけて行きました。こうしてSは、生物マニアの道を歩み始めたのでした。

 

入学前に面会した教授、そしてその研究室の学生達とも交流が続きました。院生たちと一緒に生物の話をして盛り上がりました。学部1回生、それも入学直後から研究室に通う様子から、周りの学生達はSを得意な存在として見るようになりました。「Sは生物に詳しい」・・そんな情報が同級生の間で共有されていきます。

 

Sの交友の広さは学内だけに留まりませんでした。1回生の時から学会や研究会、生物関係のイベントに参加し、全国的に人脈を広げていきます。同年代の生物マニア達と顔見知りになり、優秀な友人達から多くの刺激を受けます。当然、優秀な先輩達からも多くのことを教わったようです。あくまで生物マニアだった当時のSは、面白い研究テーマに取り組む立派な先輩達に憧れました。

 

学部2回生のある日、Sは大学の図書館で1冊の本と出合います。その本では、生物の種間関係、とくに、間接相互作用で結ばれた3種間の関係について平易に説明されていました。生物同士の関係・・Sは貪るように何度もその本を読みました。そして、その著者が以前所属していた、Y大学の大学院への進学をめざし、2回生の時から院試勉強を始めたのでした。3回生のときにはY大学の研究室を訪問します。そこのボスのK教授は、Sの受験を歓迎してくれました。

 

続く